住宅ローンの返済額とプランが後に悩みのもととなる?

家を購入するとなれば、「頑張って返済していこう」という気持ちがわくでしょう。ただ、この頑張り方を誤ると、のちに住宅ローンが生活そのものを脅かす悩みの種となってしまうかもしれません。
購入できるかできないかを迫られる住宅ローンの「審査」時点で、将来を見越したプラン選択と、返済額の予測を立てておくべきです。

〇住宅ローンを組む時の目的
住宅ローンの返済とは、「最長35年かけて返していく借金を負う」ということを意味します。住宅ローン=家を買ったという証明、名誉の借金という風にも思われがちですが、その名誉は完済した時に得られるもの。
住宅ローンが途中で返済できなくなってしまうかもしれない…という可能性は、実際の悩みとなる前にしっかり自覚しておくべきです。

〇借りる住宅ローンの額をいくらにするか
住宅ローンの申し込みをする際には、まず「住宅ローンの融資額をいくらにするか」を設定すること。これがスタートです。
返済方法や返済額から決めて、積算していくという方法もありますが、実際の返済額は、住宅ローンの金利プランや契約(特約)内容によって変わって来ます。
子育てを理由にゆとり返済(一定期間後に金利が上昇するプラン)を選択すれば、のちに返済金額もぐっと上がります。変動金利ではさらに、元本が減るスピードや返済額が半年サイクルで変わります。
融資額を決めるということは、現実にいくらのマイホームを建てるかを決めることです。ここで、理想の家に近づけるために欲張ってしまうと、借入額面がどんどん膨れ上がります。
実際に返済できる額にとどめておかねば、融資審査は通りません。融資限度額は、現在の収入や年齢、これまでのローン利用状況などによって決まります。
反対に、一定の収入が見込まれる信用のある人は、ローンの限度額が大きくなります。しかし、借り入れ可能額=自分が返済できる額ではありません。

〇借入限度額が誤解と悩みを生む?
融資先が貸してくれるから、限度上限いっぱいに融資してもらって大丈夫!という他力本願の借金は、のちにお金の絡む悩みを生みます。
マイホームは、建てた人にとっては是が非でも守りたいもの。しかし、住宅ローンが払えない事情が生じたら…。
住宅費はカットするのが難しいとなれば、やはり生活を切りつめても、日常を送るうえで不具合や不都合が重なり、お金のやりくりで悩む毎日が続きます。
そして、多くの人は「家を守るために新たな借金をする」方法を考え始めます。これでは、単に借金が増えていくだけです。このようなお金に絡む悩みを生まないためにも、自分たちの生活を守りながら返済していくことができる借入額とプランを選ぶべきでしょう。
今回は辛口に思えるような内容になりましたが、現実に住宅ローンの返済が滞って、借金整理や家の売却をする人もいます。
身の丈にあったローンとマイホームを考え、決して「今の限界に近い住宅費」を引き出さない設定にしましょう。生活のゆとりとマイホームがそろって初めて、家を持つ喜びが感じられるのではないでしょうか。

【著  者   長 岡  利 和】


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