マイホームなど不動産購入の際の住宅ローン控除とは?

住宅を購入したらまず確定申告を

住宅ローンを利用してマイホームを購入した際に一定額まで税金の優遇が適用される制度が住宅ローン控除です。住宅ローン控除の正式名称は「住宅借入金等を有する場合の所得税額の特別控除」で、消費税の税率や住宅の特徴などで控除限度額に違いがあります。住宅を購入したときには確定申告を行うことにより、住宅ローン控除以外にも様々な特例や控除の適用となる場合があります。忘れずに申告するようにしましょう。

住宅ローン控除の適用条件

住宅ローン控除が適用されるのは、一定条件による住宅ローンの利用でマイホームを購入した場合です。新築・中古住宅の取得、増改築、バリアフリーや省エネなど特定の改修工事などが対象となります。住宅ローン控除の適用となるためには次のような条件をクリアする必要があります。

・住宅ローンへの条件

住宅ローン返済期間が10年以上であることが必要です。借り換えや繰上げ返済など、住宅ローンの見直しなどには注意しましょう。借り換えの場合にはそれぞれの契約に償還期間が10年以上必要です。

・建物の条件

新築の場合は、登記簿上の床面積が50㎡以上、中古住宅の場合は、登記簿上の床面積が50㎡以上で、耐火建築物の建物は築25年以内、耐火建築物以外の建物は築20年以内であることが条件です。もしくは、家屋調査で耐震基準適合証明書による証明がされている場合や、家屋の取得の日の2年以内に住宅性能評価書で耐震等級が3以上という評価を受けている場合も適用条件クリアとなります。

・利用する人の条件

住宅取得後6か月以内に入居して、適用を受ける年の12月31日まで続けて居住していること、そして控除を受ける年の合計所得金額(サラリーマンの場合は給与所得控除後の金額)が3,000万円以下であることが条件です。

住宅ローン控除は住宅ローンの年末残高を基準とする

いくらが控除となるかについては、年末にどのくらいの住宅ローンが残っているのかを基準として考えられます。この時注意したいのは、住宅を取得するための住宅ローンであるということについてです。

仮に3,000万円の一般住宅を購入するため、せっかくだから新しく家財用具も買い揃えようと3,500万円でローンを組んだとします。後に住宅ローンを返済し残高が3,200万円になっても控除の基準となるのは3,000万円までです。住宅ローンの年末残高が確定したら控除率を掛けて計算します。

また、不動産の所有者名義が夫婦共有になっている場合、双方持ち分までの住宅ローン控除が適用となります。3,000万円のマイホームを夫婦が2分の1ずつ所有している場合、住宅ローンは夫が3,000万円で組んでいたとしても控除対象となるのは「3,000万円×1/2(夫の持分)=1,500万円」までです。

残った控除分はどうなる?

住宅ローン控除は所得税から優先的に控除の対象となるため忘れずに控除の申請を行うようにしましょう。その年の所得税から控除しきれなかった控除分については、翌年度の住民税から控除されることになります。

住宅ローン控除を受けるには

サラリーマンには確定申告は縁のない話かもしれません。しかし住宅ローンの適用を受ける際にはサラリーマンでも1年目に確定申告を行う必要があります。2年目からは税務署から書面が送付されてきますので、金融機関の残高証明書と一緒に勤務先に提出することで年末調整から控除が可能になります。住民税からの控除の場合には、確定申告を済ませていれば原則市町村等へ申告する必要はありません。

【著者 長岡 利和】


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