住宅ローンと年収の関係 収入の何倍くらいが妥当?

マイホームを購入するなら、住宅ローンありき。という人が圧倒的に多い中、その申し込みと審査の詳細を知っている人は意外と少ないものです。
いろんなプランや商品特約がありますが、マイホームの建築や諸手続き、引っ越しの見積もりに変更点の確認と同時並行で審査申し込みをするためか、おおよその人が金融機関の勧めるプランに便乗しているように見受けられます。
マイホーム本体とローンの審査。住み始めてから数十年間のお付き合いになるということを考えれば、この両方とも同等に考えねばならない重要なことだと気づくでしょう。

〇住宅ローンの審査と借入額
金融機関は、融資が可能な人に対して、できるだけ多くの金額を貸付したいと考えます。
マイナス金利政策発動以後、できるだけ長く、少しでも多くのローン金利を払ってもらうためには、返済期間を長めにして借入額を可能な限り太くしておく必要があるのです。
とはいえ、誰彼にやみくもな貸し付けをすると、回収不能になるリスクもあります。
そこで、ローン審査では年収と借入額について、およそ一定の基準があります。
審査を申し込む金融機関によって若干異なる点もありますが、民間住宅ローンはおよそ共通していると考えていいでしょう。

〇申込者の年収と返済負担の割合
大まかな基準ではありますが、民間住宅ローンの場合は、最低年収を200~400万円程度に設定し、ここから職業や勤続年数など、就業状態を加味して住宅ローンの融資限度額が決まります。
ただ、一点注意しておかねばならないのが、「住宅ローン以外の借入額」です。
白物家電をクレジットカードの割賦払いで購入したり、携帯電話の端末を二年縛りの契約条件と合わせて分割支払いしている場合、長期割賦払いは返済負担率割合に組み込まれる点は考慮しておきましょう。
また、携帯料金の支払い遅延や遅滞があると、信用情報機関で記録されていることもあり、これがローン審査に影響する可能性もあります。
返済すべきお金をきちんと期日内に返す、ということを繰り返して返済に対する信用が得られます。他の借入額と合わせて、返済負担率は25~40%程度と概算するケースが多いでしょう。

〇融資額を決める目安
年収の何倍くらいがいい?
できるだけ多くの融資を受けて、納得のいくマイホームを建てたいと思うでしょうが、返済が滞るような無理な融資は避けるべきです。
返済負担率について前述しましたが、毎月の返済額と住居費の年間支出額を計算し、返済期間を乗じれば、およそ妥当な借入額を算出することができます。
しかし、ここに住宅ローン金利を上乗せして考えねばなりませんから、理想としては年収の6~8倍程度の総返済額を見込むといい、という話も聞きます。
ただ、年収の何倍くらいを借りるがいいのか、という漠然とした世間一般論よりも、家庭の事情やライフスタイル、ライフイベントに沿って、自分(たち)なら毎月いくら返済に充てられるかを計算した方が良いでしょう。
年収の何倍借りても、数十年かけて払い続けるのは自分自身。
やりくりや返済計画をしっかりと実行することが何より大切なのです。

【著  者   長 岡  利 和】


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