家の購入に貯金はどのくらい必要か 購入後の家計とローン

貯金のあるなしに関わらず、住宅の購入を考える人の思いは「いくらくらい貯金したら安心して家を買う事ができるか」ではないでしょうか。現実に、今手元に貯金がなくても住宅の購入に踏み切ることは可能です。頭金0でフルローンを組んで家を購入することができないわけではありません。しかし、家を買った後に支払い不能となってしまう事が分かっていれば、その決断をしてはいけません。貯金額や頭金など、準備段階で掛かるお金は、購入する家の価格や世帯収入によって大きく異なります。一概に金額を示すことは難しいですが、貯金をどのくらいしておくべきかという考え方は共通しています。

○頭金は多いほうが吉

単純に貯金をして住宅の購入に備えるというのが一般的な考え方でしょうが、貯金全てをマイホーム購入のために充てるのは得策とは言えません。家族のライフステージに応じて必要なお金も必要でしょう。また、ローン返済をする世帯主の病気やけがで、返済が滞ることも考えられます。共働きから一馬力になった途端、世帯収入額自体が減少することも考慮しておきましょう。貯金は多ければ多いほうが、家族にとっても住宅購入に際しても安心です。そこで、マイホームのための貯金以外に、月々どのくらいの支出があって、その中からどれほど貯蓄ができるかを試算してみると良いでしょう。

●余剰金から貯蓄できる額を計算

家計を見直すためにも、毎月または一年間に掛かる支出項目を洗い出してみます。日常生活で定期的に支払う新聞代や通信費、公共料金の支払いと、食費や日用品の購入費、そして現在払っている家賃などの住居費を基本生活費として大まかに計算します。これは、状況が変わっても必ず必要となる生活の基礎費です。これにプラスして考えねばならないのが、子どもの教育費、車の維持費や保険料、冠婚葬祭や趣味に掛かる費用、旅行や耐久消費財(家電など)の流動費です。家計簿を付けていない家庭でも、おおよそこの項目ごとに支出を計算してみましょう。基礎費となる部分は削るのが難しいため、貯金を増やすためには流動費のなかから支出を抑える方向で試算します。

○貯金+援助も考える

家族だけの力で貯金を増やすことができれば最もですが、現状はなかなか厳しいという家庭もあるでしょう。また、数年後に購入を考えるマイホームのために、数百万単位の貯金を準備するのは並大抵の苦労ではありません。そこで、贈与や援助という二世帯・三世帯での頭金準備を考えるというのも一つの手法です。親からお金を借りて返済をするという場合は、その金額如何によっては生前贈与とみなされることがあります。すると贈与税が発生するので、客観的に金銭貸借契約と変わらない書面の準備や返済方法を行って、一時的な蓄え増加をする方法があります。また、父母または祖父母から住宅取得資金の贈与を受けた場合は、要件を満たせば贈与税非課税限度額を増やすことができる特例もありますので、税理士など専門家に相談してみても良いでしょう。

【著 者  長 岡  利 和】


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