マイホームを持つための貯金はどう貯めるか

新築・中古物件のいずれであっても、住宅を取得する時に皆さんが気にすること、それが「頭金をいくら準備すればよいか」でしょう。住まいを検討している時は半ば夢を見ている心持でしょうが、いざお金の話題になると現実味を帯びて尻ごみしてしまいます。
家にかかる費用は、一部ローンを組む場合が多いでしょうが、頭金がいくらだろうが諸経費や税金がどの程度かかろうが、必ず完済しなければならないという事に変わりはありません。
ならば、家を購入するならどのくらいの予算で購入するのが妥当で、いくら貯金が必要なのかという順序で考えると、本当に必要な貯金額が見えてきます。

○マイホーム貯金は理想に近づくきっかけという考え方

預貯金は確かに心の余裕を生みます。実際に物件を見て回り、気に入った家やマンションがあった時に、「月々いくら払って何年ローンを組み、金利を加算して払っていけるのか」と試算した時に現実の返済とかけ離れた計算結果となったら、余剰分は貯金で賄うしかありません。もちろん住宅ローン申し込み時に頭金として入金すれば、借入額を減らすことができるので、住み始めてからの金銭的余裕も生まれるでしょう。
仮に、生活するに充分事足りて、返済計画も無理なく設計できるのであれば、頭金は必ずしも必要戸はならないでしょう。
頭金にこだわって、家の購入をためらい先延ばしにしようと思うか。または、家族で月々返済していくことが可能な金額のマイホームを(返済から割り出して)選ぶか。要は考え方次第といえるのではないでしょうか。

○買い時を逃さないための手付けとして貯金は有効

ある中古物件と運命的な出会いをしてしまったとします。ほぼ条件にかなっているという理想の物件を目にして、「できれば他の人に購入される前に契約したい」と思った場合、手付金が貯金で準備できれば、購入の契約までの流れがスムーズになります。手付金は、売主との話し合いで決めますが、一般的に購入価格の10パーセント程度を目安としている場合が多いです。頭金0のフルローンで住宅購入を考えていた場合、この手付金もローンの審査が終了した後でなければならなくなります。物件の下見や詳細な条件確認を数度現場で重ねて、この間にローンの仮審査はクリアできたとしても、本審査の結果到来のほうが物件の検討よりはるかに時間がかかります。
ローン審査が降りなければ契約自体が履行されません。売主としても、一旦購入予定者が決定して安堵したのに、又購入者探しが振り出しに戻るとなると良い心地はしません。「すぐに準備できる貯金が○○万円ある」と、不動産会社担当者に伝えておけば、手付金をその貯金額に応じて検討してくれることもあるでしょう。

超低金利時代がこれから数年続きそうな経済状況が続いています。住宅ローン金利の引き下げも止まらず、貯金は無いが今のうちに購入しておこうと検討する時は、まず「数十年もの間、毎月いくらずつ返済していけるのか」という返済可能額をしっかりと見極めることこそが重要です。
マイホーム選びはその後の人生とライフステージに大きな影響をもたらします。貯金全てをマイホームの頭金にできれば問題はありませんが、他にまとまったお金が必要になることもあります。無理なく返済する金額から、必要な場合はマイホームのための貯金額を算出すると良いでしょう。

【著者  長岡 利和】


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