マイホームの購入時期と耐震・省エネ性能

2016年4月に起こった熊本、大分の大地震は、東日本大震災の壮絶で悲惨な記憶を呼び起させるような恐怖を日本全土にもたらしました。地震大国日本と言われてはいたものの、これまで過去に経験したことが無いような大規模地震が、ここ十数年で繰り返されています。
そこで、住宅建築についても耐震性の強化が都度計られてきました。同月の地震で倒壊した家屋の多くは、1980年代以前に建築されたものが非常に多かったと言います。これまでは、地震の被害も想定されていなかった地域に突如襲ってきた自然災害は、更に耐震性を強化した家屋の必要性を浮き彫りにしています。

○地震の揺れと液状化に強いマイホーム

今、まさにこの時が購入時期だとして、マイホームを検討している方にとって、マイホーム選びの条件で重視するものは何でしょうか。住宅金融支援機構が行った「2015年度民間住宅ローン利用者の実態調査」によれば、住宅取得時に重視するもの第一位は「価格・費用」、第二位が「間取り」、第三位が「耐震性能」、第四位「立地(災害等に対する安全性)」第五位「省エネ性能・耐久性」という結果が得られているとのこと。この結果を踏まえると、やはり費用は最大限抑えながら、土地建物に可能な限り地震の揺れに耐えつつ、省エネな住宅プランを望んでいることがうかがえます。都会は埋め立てによる液状化現象も問題になっています。床や地盤の補強は、更に慎重に行わねばならない課題だという事も広く認識されるようになりました。

○住宅ローンの超低金利とすまい給付金制度

2014年に消費税が8パーセントに引きあげられる際、大きな買い物の代表である住宅購入費については、負担増緩和のための減税控除額が大幅に拡充されています。一般住宅を消費税8パーセント時に購入すれば最高400万円、長期優良住宅などの認定住宅ならば500万円が、住宅ローン減税控除額の上限として適用されます。

○投資型減税・投資型リフォーム減税を活用

団塊世代の預貯金保有者のなかで、ローンを組まなくても住宅を購入できるという人が中にはいます。要件は「長期優良住宅・低酸素住宅の認定」です。
耐震改修や、省エネ改修工事など、一定のリフォームを行う時も減税措置を受けられます。最大控除額は、それぞれに25万円ですが、省エネ改修時に太陽光発電装置を付ければ更に控除額は大きくなります。

○建築基準法の耐震性標準が○○と発表

今の時代、地震に充分耐えられる程の強度とはいかほどなのか。どの程度の震度に耐えられる住宅づくりが必要なのか。実際に建築基準法では「6~7クラス」の震度が来たら・・・という想定をやっと現実的で具体的に提示するようになりました。

耐震・免震はコストアップの要因ですが、最近は耐震構造と、コストが安めの制震構造を組み合わせて行う耐震性能アップも多くなりました。
工夫をしながら、減税の適用と最新の設備をどんどん取り入れることで、住宅に信頼性が増すようになり、安心安全な住宅が完成するでしょう。

【著 者  長 岡  利 和】


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