不動産建物の耐用年数を理解する 最適な住まい選び

住宅の購入を検討しはじめると、まずプランや間取りを一番に考えたくなるでしょう。どんな住まいにしたいか、どのような間取りの住宅が家族にとって必要で、理想を叶える為には新築にするかまたは中古住宅物件から選ぶか・・・基準は各家族で異なるでしょうが、一戸建てとマンションのどちらにするかという問題は、住まい方や掛かる費用の他に、構造の違いという決定的な相違があります。資産価値を左右する不動産の構造は、そのものの価値算定に大きく関わるため、これから購入する人は後に譲渡する可能性があるかなども考えて、それぞれの耐用年数を理解しておきましょう。また、これから中古物件のなかからいずれかの住宅を購入しようと考えている場合は、その残存価値価格をきちんと把握しておかねばなりません。

○木造住宅の耐用年数は22年

一般的に、木造住宅の法定耐用年数は22年として減価償却されます。しかし、実際には22年以上残存している木造住宅は多いものです。これは税法に則った耐用年数で有って、実際に木造住宅が住むに適している耐用期限ではないことをあらかじめ理解しておきましょう。中古住宅を購入するために、物件の下調べをしていると、築20年を超えるような物件は少なくありません。これらの住宅は、築年数が経過していても、外壁や屋根の張り替え、またメンテナンス次第で、充分に生活できるレベルのものがほとんどです。ただ、建築物件は10年を過ぎるころから設備や内外壁に一定の劣化が生じます。そのため、築10年を超えたあたりをラインとして、市場中古住宅価格が急落する傾向にあります。

●それぞれの設備の耐用年数も知る

住宅はその家の形が残っていれば生活ができるという訳ではありません。住宅の中には、水周りや建具、床下や配管など、さまざまな設備があり、それらが生活に密接に備わることでライフラインを保て、毎日の生活が成り立ちます。住宅そのものの耐用年数と合わせて、設備の耐用期間も理解しておきましょう。中古物件を購入する時には、その物件の築年数が10年以上経過している場合、あらゆる設備のメンテナンスがどの程度行われているかも把握する必要があります。仮に、「現状渡し」の物件として販売されていた中古住宅を購入することになった場合に、購入後すぐに屋根や外壁に損傷や不具合があったとしても、引き渡しをされた後ではその不具合を指摘することができなくなります。最も見えづらいのが、給排水の配管部分です。欠損やひびなどの傷みがある時は、中古住宅販売を担う企業側にきちんと伝えて、メンテナンスを行って引き渡ししてもらうというひと手間を欠かさないようにしましょう。法定耐用年数以上に充分存続できる住宅は珍しくありません。更に住宅を長持ちさせるためには、日頃の軽微なメンテナンスをタイミングよくおこなうという事に尽きます。きちんと補修や改修を実施している物件は、それだけで価値が上昇します。前の物件を「価値あり・メンテ充分」と見なされれば、それだけで譲渡物件の価値は上がりますので、中古住宅を購入するならメンテナンスサイクルと最終実施日、これから売ろうと考えている人なら、これまでに掛かったあらゆる住宅関連費用をまとめて、折衝のタイミングできちんとメリットを高めておくことも大切です。

【著者  長 岡  利 和】


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