マイホームのキッチンが家の使いやすさを左右する

家族が集う家の中には、家族のこだわりたいポイントをたくさん詰め込んで、皆が快適に過ごせるような設計を心がけたいところ。
しかし、パブリックスペースとパーソナルスペースの両方で、家族それぞれがこだわりを追求すると、どうしても一建に収まり切れるものではありません。
マイホームの間取りを考えるときに、軸となるのは家族が集うリビングでしょう。そして、家の中で最も優先したいのは、実はキッチンを中心とした水回りの設置なのです。

○間取りのレイアウトを考える
使いやすい、開放的で(または好みによっては天井裏のような遊び心を追求するパーソナルスペースがあって)、家にずっといて飽きないというマイホームの形作りが重要です。子育て世代の家族に多いのが、「広々と使いたいけれど、部屋数は多いほうがいい」というもの。子ども専用の部屋を割り当てる、また老後の三世帯同居を視野に入れて部屋数を確保する…という考え方です。
ただ、間取りづくりをするときには、4LDKや3DKなどという間取りの表記にとらわれずに、「どの場所でどんなことをしたいか・どんな時間を過ごしたいか」が大切でしょう。

○マイホームに占めるサービスゾーン
家の間取りを考えるうえで外せないのが、サニタリーやキッチン、ユーティリティといったサービスゾーンです。住まい方や過ごし方にかかわらず、住宅の中に備えておきたい必要不可欠なスペースの配置を忘れてはいけません。
サービスゾーンの配置は、生活する上での暮らしやすさに直結します。実際に家事をするときの動き(家事動線)をイメージしながら計画を立てるようにしましょう。
パブリックゾーンの中に、アイランドキッチンを配置すれば、「リビングのそばで家族全員が集える」「子どもの遊びや宿題を見ながらご飯を作りたい」という、現実味のある理想をそのまま形にすることにつながります。
また、料理をして片づける、洗濯をして干す。これらの家事動線が無駄なく、最少ルートで回ることができれば、家事もはかどり水回りを集中させることができるため、住宅建築費のコストダウンにもつながります。

○玄関とキッチンは近いほうがいい?
勝手口やデッキに最も近い場所にキッチンを配置すると、買い物から帰って重い荷物を持ったまま、家の四方に歩き回らずに済みます。ただ、玄関のすぐ近くにキッチンを配置する際には注意が必要です。

●キッチンの汚や食器が見えづらい間取り
毎日料理をするお母さんは、一時の時間がもったいないほど、忙しく動き回らねばなりません。その時に、家事動線に習っておさらいをすると大枠が固まりやすくなります。そして、キッチンは一家の中でも日常的によく使うスペースです。動線に沿ってキッチンを単純に配置すると、お皿や調理器具を見ながら通過してしまう動線が作られかねません。
そのため、キッチンが周囲の部屋・スペースから見えにくい工夫を必要とします。特に玄関や廊下近くにキッチンを置くときには、ルーバーやパーテーションなどですぐにキッチンが丸見えにならない配慮が大切です。

【著  者   長 岡  利 和】


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