通勤時間のかかる価格の安い郊外のマイホームは本当に魅力?

通勤時間が与える様々な影響とは

勤務先から自宅までが片道2時間近くかかる場合、毎日通勤だけで往復4時間という長い時間を費やすことになります。仮に電車通勤なら、ゆっくり本や電車が読めるからと考える人もいるでしょうが朝の通勤ラッシュ、ゆとりの時間として過ごせるかにも疑問があります。

それでも都心の住宅は価格が高く収入に見合う金額でないことから、ある程度勤務先から離れることになっても郊外でマイホーム購入を検討する場合もあるでしょう。ただし通勤時間は結果として睡眠不足などにより生活の質を下げてしまう場合もあります。また、経済的損失も発生することから、ただ安くて広い間取りになるからと安易に決定してしまわないようにしましょう。

通勤時間が睡眠に影響する理由

少しくらい勤務先から自宅が離れることになったとしても、手の届く価格でマイホームを検討しようと考えてしまうことはあるかもしれません。しかし通勤時間は質の良い睡眠の妨げとなり、生活の質を低下させます。

アメリカブラウン大学の研究によると、1時間以上の通勤に時間をかけている人の場合、それ以外の人と睡眠時間を比較すると30.6%短いそうです。その理由として、起床時間が早いということ、通勤手段が公共の交通機関もしくは自動車であることで運動時間が減少することにあるようです。

運動不足は不眠の要因だった!

時間をかけて通勤する必要が出れば、運動する時間も当然少なくなります。運動を兼ねて徒歩や自転車を利用した通勤方法もありますが、郊外などになると自宅と職場の距離が離れすぎてしまい現実的な方法ではありません。

週5日30分以上歩く人と、運動頻度がそれより少ない人では、寝つきが浅く途中で目が覚めるといったリスクが高くなります。身体をしっかりと休めるためには適度な運動も必要ですが、ただ長時間電車に揺られているだけでは運動での疲労とはまた違った疲れが溜まってしまうでしょう。

通勤時間は働く時間を消費することに

例えば勤務先である都心部から郊外の自宅まで往復3時間通勤時間を必要とする場合で考えて見ます。年収400万円の人が1日8時間×年間240日=1,920時間を1年間で働いているとしましょう。時給に換算すれば約2,000円です。同じように通勤時間を計算すると年間720時間ですが、もしこの時間に働いていたとしたら144万円分を通勤に使っていることになります。そして勤務先から自宅までの距離が遠ければ通勤費もその分高くなるでしょう。

睡眠不足は年収にも影響?

都心で購入するよりも低価格でマイホームを購入できるならばと、勤務先から離れた場所で検討する場合もあるでしょうが、通勤時間が長くなれば睡眠時間が短くなることになり生活の質が低下するということは認識しておきましょう。仕事にも影響しますし身体に休息を与えることにも影響をします。睡眠時間が短い人は年収も低くなりがちという調査結果もあるほどなので、通勤時間を無視して安くマイホームを購入したことがきっかけで年収が下がることになるかもしれません。

納得できる物件を!

新築一戸建てのマイホームを検討している人を対象として首都圏、西部沿線を中心として実施された意識調査では、理想の通勤時間はどのくらいかという質問に多くの人が30分以下と答えています。また、30~60分という回答の中には、この時間が限界と感じている意見も見られます。また、睡眠時間の満足度に影響する時間は41分です。通勤時間が長くなるからと購入に迷っている場合は、再度以上のことを踏まえて検討してみましょう。

【著者 長岡 利和】


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