相続税が掛からないものはある?知っておくべき税のはなし

ここ数年、相続遺産や財産管理に敏感な話が増えてきています。相続税の基礎控除額が引き下げられた事で、不動産管理や分与の話を、あらかじめ生前にしておく方がいい場合もあります。
ただ、遺産として残されたもの全てが対象となるわけではありません。相続財産のなかでも税が掛からないものがあります。
どの財産を相続したら申告すべきなのかを、まずは知っておきましょう。

○公益を目的にした事業に使われる相続財産は税が掛からない
これまでは、事業を営んでいる人がその資産を受け取る事になる相続人と、財産分与が問題となる事が多かったですね。一般のサラリーマン世帯には縁が薄い話かもしれません。
公益を目的とする事業に使うことが明らかな場合、幼稚園事業を経営する個人がその業の目的で使った財産の場合、公的事業を行う目的の特定法人へ寄附したものなどは、その性質から相続税が掛からないとしています。

○相続税が掛からないもの サラリーマン世帯編
では、世間でサラリーマン世帯と呼ばれる給与所得者にかかわる、相続税が掛からない財産にはどんなものがあるのか。これが問題ですね。

●お墓や仏具、神を祭る道具等
被相続人が先祖をあがめ、毎日礼拝していたような仏壇、お墓や仏具などは、決して安いものではありません。中には数百万円もするものもありますね。
これを受け継いだ人に対して、動産を相続したとして相続税を課税するのは、性質上受け入れがたいというのが、対象外となる理由でしょう。
ただし、投資の対象となりそうなものや、骨とう的価値があるもの、商品として仏具などを所有していた場合には相続税の対象となります。

●受け取った死亡保険金の相続税計算
原則、被相続人が加入していた保険の保険料全部または一部を本人が負担していた場合は、相続税の課税対象になります。
保険金を受け取ったのが相続人だった場合は、”全ての相続人が受け取った保険金の合計額が次の算式によって計算した非課税限度額を超えるとき、その超える部分”(引用:国税庁ホームページ 相続税・相続と税金・相続税の課税対象になる死亡保険金
https://www.nta.go.jp/taxanswer/sozoku/4114.htm) 
に対して相続税対象となります。
計算式は「500万円×法定相続人の数=非課税限度額」です。これはあくまでも相続人が受け取った場合で、相続人ではない人は非課税適用外です。

●退職手当等は相続税が掛からない?
被相続人が受け取るはずだった退職金や功労金が支給された場合、これを受け取ったら相続税が課税されます。
ただ、上記の保険金と同じく、500万円×法定相続人の数=非課税限度額 の式で算出し、この非課税限度額に満たない場合は、相続税がかかりません。
非課税限度額の計算方法や、財産の性質からみて相続税が掛からないものかどうか。また相続関係によって権利が変わるかどうか。個別の事情に沿って専門の税理士に相談してみると良いでしょう。
申告もれだけは気をつけておきましょう。

【著  者   長 岡  利 和】
 


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