中央線快速の本数がダイヤ改正で減少した理由とは

中央線は人気の高い路線

人気の路線であるJR中央線は、中央特快や青梅特快が停車しない駅でも数分待てば次の電車が来るという高い利便性を誇ります。中央線は時間帯によってルート変更があったり、快速なのに途中から各駅停車になったりと格別にややこしい路線でもあります。その中央線が3月26日のダイヤ改正で運転本数に減少がありました。

中央線の列車本数が減少?

ダイヤ改正では10時~15時台の立川から高尾間について1時間あたり1~2本減少となり、他にも9時~10時台の東京から武蔵小金井駅間も減少になっています。この本数を減らすことには多摩地区の人口が関係しているようです。

多摩地域では人口が減っている

本数を減らした時間帯は利用状況が少ないという判断によるものですが、それだけではなく中央線が通る多摩地域の人口が減少しつつあることが大きく関係しているようです。その一方で、都心部の人口は増加しており、郊外でも都心へ利便性が高い地域での人口は増えつつあるものの、都心回帰が進んでいる状態です。

削減されても本数は変わらない?

どうやって列車本数、しかも立川から高尾までの列車を減少させたのかというと、東京からの中央線の列車を削減することで列車同士の間隔を調整し、立川から高尾までの本数を減らすという方法だそうです。

中央線の優位性高めるグリーン車

そんな中で、JR東日本は2020年度に中央線にグリーン車を導入すると発表をしています。現在中央線快速電車に使われているE233系電車へグリーン車を2両連結させるそうです。グリーン車導入により、多くの駅やホームで改良工事が行われることになります。地域の活性化にも影響を与えそうなところはあるかもしれません。

通勤利用者に人気が高い理由

中央線では全席指定の「中央ライナー」や「青梅ライナー」の運行が行われており、中央本線の特急は、自由席特急券と定期券を組み合わせて短距離利用することもできます。そのため新宿から立川・八王子までは510円で行くことができます。立川駅や新宿駅、八王子駅にはホームに自由席特急券の券売機も設置されていることで着席が可能となり通勤利用者に人気です。

知的な階層が暮らす多摩地区

大学や大卒者が多く暮らす多摩地域は、知的な階層が多く暮らしている地域と言えるでしょう。生産年齢人口は今後減少していく一方ですので、このような人たちが外部へ流出してしまうことを防ぐために、そして中央線沿線を居住場所として選択してもらうためには、着席通勤ができることがポイントとなります。そのことを考えるとこのグリーン車の連結は重要になるでしょう。

ここ数年、JR東日本は利用者の増えている路線や時間帯は運転本数を増加させる傾向にありますが、首都圏でも郊外の区間を中心として便を減らすなどを集中的に行っています。

本数を減らしてもグリーン車を導入するといった中央線を利用することの優位性をアピールしているようにも思います。

中央線と多摩地区の関係がポイント

ダイヤ改正で快速本数が削減になったと思えば、グリーン車の導入などなにかと忙しい中央線ですが、これらは多摩地区の存在が大きく関係しているようです。今回JR東日本が実施したダイヤ改正、そして今後の施策が中央線を優位に運び、多摩地区も併せた存在感のアピールになるのかという今後が注目されることとなるでしょう。多摩地区の活性化にも繋がり、多くの人がさらに中央線に目を向けることになるのか期待されます。

【著者 長岡 利和】


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