マイホームを売却した 損失が出たときの負担解消法は

例えば、一戸建てを購入したとして、その中古住宅に住まい続けたものの、転勤や住まい方を変える為に売却することになってしまったら…。
マイホームは一大決心が伴います。あっさりと買い換えて、次の住まいに思いをはせることができるほど、簡単な決意ではないでしょう。
何より、マイホームのローンが残っていた場合、売却が思うように進まなければ、これから住まう家に掛かる家賃または購入物件代金とダブルで支払わなければならなくなります。
どうにかして、マイホームに掛かる返済を抑えることができないものか…と考えている人のために、ひとつ「居住用不動産の控除」についてお話します。

○マイホームを売却しなければならなくなったら
マイホーム購入時に、確定申告をすれば所得税の還付が受けられる「住宅ローン控除」は、一般的によく知られていますが、居住用不動産を売却するときにも、税制控除があることはあまり知られていないようです。
住まい続けることができなくなった不動産は、売却して控除申告しましょう。

●居住用財産の3000万円控除とは
この特別控除は、売却と同時に得る家の代金収入(譲渡所得)に掛かる税金負担を少なくする目的で設けられています。
譲渡所得に掛かる所得税は、その所有期間によって(5年超か未満か)、税率が異なりますが、この特別控除は長期・短期ともに控除を受けることが可能です。

●特別控除を受けるための条件は
マイホームを売却した譲渡所得に対して、長期譲渡または短期譲渡とも3000万円を控除することができます。ただし、マイホーム(自分が居住していた家屋)の譲渡で無ければなりません。
そして、近親者(配偶者や親子ども、兄弟など)のような特別な関係の人への譲渡ではなく、第三者に対して売却したものであること。過去3年間にこの特別控除や買い替え・交換の特例を受けていないこと。住まなくなって3年以内の売却であることなど、細かい条件がありますので、該当するかどうかはあらかじめ確認しておきましょう。

●3000万円引いた残額課税で損失が大きくなる?
特に都心部は居住用財産の価格も高く、費用を捻出して建てた家を売却するのはタダの損失だ。(せっかく資産を作れると思ったのに)と、売却して得た譲渡所得との金額差にマイナスイメージを持つかもしれませんが、特別控除はこの点にも配慮をしています。
所有期間が10年を超えているマイホームを売却したとき、3000万円の特別控除をした後の譲渡益は、6000万円以下の部分で10.21%、6000万円超の部分は15.31%の所得税で、一般的な所得税率よりも低く設定されています。
マイホームは購入と売却の金額が大きいため、コンマ数パーセントの税率や控除額によって、税額が大きく変わります。
マイホームを購入した・売却したときは、確定申告を行ってしっかり申告し、税金の還付をしっかりと受けましょう。

【著  者   長 岡  利 和】


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