戸建住宅でも維持費はかかる 固定資産税と考慮しておくこと

マイホームをマンションと戸建てのどちらにするか比較した時に、維持費や修繕積立金が大きく関わるマンションより、戸建を選びたいと感じる人はいるでしょう。
目に見えて毎月かかるコストは、マンションのほうが圧倒的の多い印象があります。しかし、戸建の場合にもそれなりの維持費がかかることを知っておきましょう。

○強制的支出となる固定資産税
戸建住宅だけに関わらず、マンションを購入した際にも固定資産税は発生します。もちろん住宅ローンとは別に、支払うべき税金の準備をしておかねばなりませんが、一戸建てと集合住宅のマンションを比較すると、やはり土地の固定資産税が上乗せされるのが大きな違いでしょう。

●建物の固定資産税
建物の評価そのものは、マンションと戸建てそれぞれに、設計構造などの条件に依って算出方法が変わります。加えて物件ごとに市町村役場の担当者が目視で建物確認をして評価額が決定します。
一般的に木造住宅が多い戸建は、建物の価値が大幅に下がりやすい傾向にあります。マンションの専有部分に対する固定資産税よりも戸建のほうが安くなるケースが多いですが、かといって軽視出来るような額ではありません。
経年数とともに減価償却が進むため、古くなればそれ相当の税額になるように計算がされています。木造住宅の場合でおよそ20年経過した建物には、一定の課税評価価値が無くなるような計算方式となっているため、戸建のほうが資産価値が無くなるのが早くなります。

●土地の固定資産税
土地を所有していれば、その所有者に対して固定資産税がかかります。一般に、農地や雑種、畑など地目は様々ですが、住宅を立てた土地は必ず「宅地」となっているはずです。以前は畑だった土地などに家を立てる場合には、農地転用と言って、地目を変更するための許可を農業委員会にえる必要があります。
これは、開発行為や市街化区域など、都市計画も大きく関わるので、自分が所有者だからといって簡単に転用できるものでもない可能性があることを知っておきましょう。
宅地に課税される場合は、所規模住宅用地と一般住宅用地に軽減措置が取られます。
税金が安くなる条件が適用されれば、小規模住宅用地の固定資産税額が6分の1に、一般用住宅用地では3分の1に軽減されます。

○戸建は全てが自己責任
固定資産税の他に、戸建住宅でも修繕費が必要です。マンションでは管理組合員全員で修繕積立を行いますが、自分の所有名義である戸建の修繕は全て自己責任となります。
万が一天災などで破損した部分や、メンテナンス費用も計画的に自分で行わねばならないのです。
費用的な面だけではなく、計画性や突発的な支出に対しての備えも含めて、戸建住宅の場合も相応の維持費がかかるという事に変わりはありません。

【著  者   長 岡  利 和】


投稿日

カテゴリー:

最新記事一覧