マンションの固定資産税と維持費

マイホームをマンションにしようと考えている人の多くは、「一戸建てには土地と建物のそれぞれに費用がかかる」ということを懸念して高額になることを心配しがちです。
もちろん、不動産が土地と住宅(建物)に及ぶと、その分取得費と固定資産税や不動産取得税、もろもろの費用が発生します。
特に固定資産税は毎年課税されるので、二つの不動産があればその分高くなると想像するでしょう。
ここで、マンションと一戸建ての場合の固定資産税と、それぞれに係る維持費を考えてみます。

○マンションの固定資産税は意外に高い?
一戸建ての住宅を選んだ場合、そのほとんどが木造建築です。地震や耐久性の高さから、近年は一戸建ての家でも鉄筋コンクリート造のものが増えてきましたが、マンションはおおむね高層鉄筋コンクリート造の作りとなります。
建物の固定資産税の評価は、この建築様式によっておおむね決まり、耐用年数とその設備や広さによって決定します。耐久性が高いと評価される鉄筋コンクリート造のマンションは、建物価値が下がりにくく、戸建と比べると高くなるのが一般的です。
耐用年数がながくなることから減価償却も47年と、木造の2倍以上になりますが、償却していけばその分固定資産税自体は安くなっていきます。

○マンションにも土地の課税が?
マンションは建物だけの固定資産税を支払えばいいと思っている人もいますが、マンションが建設されている共用土地に対しても、固定資産税が発生することを忘れてはなりません。
マンションの場合は、共用土地全体に対して、自分の所有するマンションの専有面積割合に応じて固定資産税を支払う事になります。

○物件価格だけではなくランニングコストも考慮
一戸建て住宅の場合、維持費はその持ち主が管理してメンテナンスを行っていきます。償却が早い水周りや壁、床などは計画的に、早めの整備をすることで維持費をコントロールすることが可能です。
マンションの場合は、自分の所有する専有部分の管理に他に、マンション全体の建物管理費が発生します。中でも、修繕積立金や駐車場代、マンション管理費は一戸建てでは発生しない費用です。集合住宅ならではのセキュリティの高さや、管理人が共用部分の管理清掃などを行ってくれるため、快適度合は高くなりますが、戸建と比較して継続的な費用が目に見えて大きな負担に感じられるでしょう。

○まとめ
マンションは、その立地の良さやセキュリティの高さが売りの集合住宅です。一戸建てと比較すると固定資産税が安くなると思われがちですが、マンションそのものの(鉄筋コンクリート造)建物評価額は高くなる傾向があります。また、修繕積立金や管理費など、所有する限り払い続けていかねばならない維持費もコンスタントに掛かっていくことを考慮しておく必要があるでしょう。

【著  者   長 岡  利 和】


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