住宅ローン返済シミュレーションと現金を残す考え方

家を購入するとなると、先立つお金に対する不安が大きくなりがちです。自分たちの収入だけで返済できるか、どれくらい頭金を準備すればいいのか。家のローン以外にかかる住宅費用には、どんなものがあるか。
不安を数えだしたらきりがありません。しかし、考え始めると、あれもこれもと疑問もわきだしてきますね。
まずは、悩みや疑問に感じたことを一つ一つクリアにしましょう。世帯ごとに住宅プランや返済プランも違います。自分たちに置き換えてシミュレーションすることが大切です。

〇住宅ローンと現金の関係 頭金をいくらにするか
マイホームローンの話になると、決まって出てくるのが「頭金をいくらにするか」という問題です。
一般的には、住宅購入価格の2割程度という説があります。この2割の中には、登記や銀行審査にかかる手数料と印紙代などが含まれています。
一部、団体信用保証や火災保険に関する出費も想定しておく事が大切だという説明のために、話題の布石として示される割合だとも考えられます。

●現金を残してローンを組むかどうか
今の住宅ローン金利は、過去に例を見ないほどの低水準だという話題を耳にした事があるでしょう。実際に、1%を切るローン商品もあり、住宅会社としては「買い時」だとアピールしたいタイミングです。
マイホームの購入資金を準備するために、頭金を貯めていた人は、いくらか現金を手元に残しておく事も考えておきましょう。

●なぜローンを組んで手元に現金を残すか
頭金を貯めてからマイホームを買う!という目標に向かって、一生懸命に貯金をしても、ローンを 組んだ後に貯金が0になれば、家計のやりくりに心配が出ます。
家を買うために貯金するという目的があると、貯蓄に対するやる気が出ますね。ちょっとした節約にも取り組む気持ちが出てくるでしょう。
まとまったお金を、頭金にあてるために準備するのは時間が掛かります。しかし、数十万円から百万円程度の貯金は、数か月~一年単位の計画を立てやすくなります。
預貯金は住宅プランが固まるまで続けながら、手元に残しておく現金をいくらか決めて、ローン審査をする時に、残す現金以外の預貯金を頭金にするという方法はいかがでしょうか。

●低金利の今こそ住宅ローン申込を早めに
頭金をある程度まで貯めてからマイホームを購入するとなると、その期間は家賃や駐車場代、共益費を払いながら貯める事になります。
頭金を、(前述したように)購入額の2割まで貯めるには、それ相当の時間が掛かります。仮に2000万円の家を購入するなら、預貯金400万円を達成するまで家は買わないという事です。
頭金を多く準備することができれば、住宅ローン借入額が減ります。もちろん返済の事を思うと、ローンは少なければ少ない方が後の生活は楽です。
ただ、頭金のために貯金をする間も時間は経過します。この間に金利の上昇や、審査年齢、転勤や退職など、事情が変わればローン借入そのものが難しくなる事も考えられます。
購入を決めたら、少しでも早く返済をスタートさせ、完済までの時間を短くする方法を返済中に考えていくという方法もあります。
決して頭金にとらわれず、自分たちの生活を維持するための現金も手元に残して、わずかでもお金に余裕がある生活をシミュレーションしてみましょう。

【著 者  長 岡  利 和】


投稿日

カテゴリー:

最新記事一覧