住宅ローン審査と勤続年数の関係

戸建やマンションなどの住宅不動産を購入する際に、多くの人が利用する住宅ローンですが、この申し込みを行えば誰でも借り入れをすることが出来る、というわけではない事はご存知でしょう。
住宅ローンに限らず、あらゆる借り入れ申請に対して、一定の要件を満たしているかどうか審査が行われます。特に不動産を購入するための借入は、金額が太くなるため返済期間も長くなります。そのため、審査条件も厳しくなりがちだという事は致し方ありません。

○多額の資金を借り入れるということ

不動産購入は、人生で一度あるかないか、というほどの大きな買い物です。現在は最長で35年ローンを設定することが出来ることを考えれば、完済した頃には仕事を退職して、第二の人生に差し掛かるタイミングだという人もいるでしょう。
先の人生の見通しが立てにくい現代ですが、銀行にとっても、借入されたお金が貸し倒れせず、定期的に返済される事で利益が出せる計算をしているので、住宅ローンはビジネスチャンスなのです。だからこそ、さまざまな条件に当てはめて事前審査を行い、慎重に申込者を見極めようとするのです。

○ローン審査基準でも重要なポイント 勤続年数

2016年3月、国土交通省は「平成27年度民間住宅ローンの実態に関する調査結果報告書」をまとめました。全国の金融機関約1300社からの回答を元にして統計を取っています。
この中で、96パーセントもの機関が、勤続年数の要件を審査項目として自行で採用していると回答しています。
勤続年数とは、単純に「今働いている会社で何年勤めているか」を意味します。様々なチャンスをものにしたいという理由で、条件の良い会社へ転職したり、思い切って独立したり、と日々努力している人も多いでしょう。世の中の風潮としては、トライ精神の高い独立や転職が充分に認知されてきました。
ただ、住宅ローンの事前審査の場合、勤続年数が短い人は申し込み後にすぐ転職するのではないかという不安を銀行に抱かせます。一概に短い勤続年数だから審査に通らないとは言えませんが、「完済まできちんと払い納めてくれるかどうか」が何より一番の着眼点なのです。受け入れ間口の広がりをみせるネットバンクでは、勤続制限無しと謳っている銀行も一部ありますので、勤続年数に不安がある人は仮審査してみると良いでしょう。

○現況のメリットではない 返済の安定性を見る住宅ローン借入要件

とはいえ、勤続年数が一年程度の人が必ず審査でふるい落とされるという訳ではありません。一般的に3年を超える勤続年数は審査が通りやすいと言われますが、一年程度の勤続年数で事実審査に通っている人はもちろんいます。現在年収1000万円を超えるような自営業者や、安定した職業として今最も信頼度の高い公務員でさえ、借入要件を見て相対的に判断して審査に通らなかったというケースもあります。
住宅ローン審査で信用情報機関へ情報確認をするのは常ですが、その中でクレジットカードやキャッシングの利用頻度が異常に高かった場合や、携帯等の割賦払いが遅れて事故情報が登録されていた場合は、審査を通すのは難しくなります。

○まとめ

銀行ごとで、どの基準に重きを置いて審査するかという要件が異なります。勤続年数だけでなく、借入時と返済完了時の年齢や、借入資金と年収のバランスなど、諸条件を全て加味して事前審査は行われます。一銀行で断られたからどこで申し込んでも審査に通らない・・・と思いこんで諦める必要はありません。

著者 長岡利和


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