不動産を売却するときの媒介契約ってなに?

ご自身が所有している土地や建物を売却することを考えたとき、売る相手をどのようにして探しますか?
自分の知り合いやツテを頼って「買ってください!」と手当たり次第に声を駆け回る方法を真っ先に思いつく人はいないでしょう。
不動産を売却したい人と購入したい人を取り持つ不動産会社に依頼するのが一般的だと言えます。

〇不動産会社に売却を依頼するには
不動産を売りたい人はそれぞれに売却の条件があるでしょう。その内容を踏まえて買主を探し、売買契約を成立するための売主と不動産会社との契約を「媒介契約」と言います。
ただ、契約の内容によって、どこまでお世話をするか、契約の制約がどれほどまでに及ぶかが異なります。
不動産を売りたい人が、依頼する不動産会社にどの程度お願いするかのレベルだと考えて良いでしょう。

●媒介契約の種類
媒介契約には「専属専任媒介」「専任媒介」「一般媒介」の3種類があります。
売却物件の宣伝や広告資料の中で、「取引形態」としてこの契約内容も公開されます。

〇媒介契約と不動産売却にかかわる制約の違い
3つの媒介契約によってどんな違いがあるのか。
これが売却したい人にとって重要であり気になるところでしょう。
不動産会社との関係性にもかかわる大切なところです。
慎重に考えて契約書を作成しましょう。

●媒介契約に制約が起こるのはココ
まず、契約を交わした不動産会社から、売却したい人(売主)への報告頻度が違います。また不動産情報サイト(業者だけに閲覧が許されているサイト=レインズ)への登録義務日数や、売主が他の不動産会社とも媒介契約を結ぶことができるか、売主が探した人と売買契約をする(直接契約)ができるか、という点で制約に差があります。

〇一般・専任・専属専任媒介契約の内容は
違いが現れる箇所が分かったところで、それぞれの詳細を知っておきましょう。
読んで字のごとく、一般媒介が広義で自由度も高く、専属専任媒介は複数の不動産会社に依頼するのが難しいという察しはつきますね。

●一般媒介契約
他社への売却依頼を重複することができる唯一の契約です。
販売や問い合わせに対する報告義務はなく、直接契約も可能。ただし、レインズへの登録義務もありません。

●専任媒介
他の業者へ重複して依頼することができません。
ただし、売却主が探した買主との直接契約は可。
報告は2週間に一度以上を業務とし、レインズへの登録は契約日から7日以内に行います。

●専属専任媒介
他社との重複契約はできず、直接契約も不可です。
この契約を結んだ不動産会社のみ、買主を仲介することができます。
ただ、販売報告は1週間に一度以上行うこと、レインズへ契約日から5日以内にすることが契約条件です。
信頼した不動産会社に全てを任せ、頻繁に報告をもらえるという点から見れば、専属専任媒介契約が魅力的に感じるでしょう。
しかし、知人や縁ある人から直接に売却の話が来た際は、「仲介をお願いしている不動産会社を通して…」という話をしなければなりません。
制約の程度と、売却までの時間や不動産会社の信頼度に応じて、どの契約書を交わすかじっくりと検討しましょう。

【著  者   長 岡  利 和】
 

 
 


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