マイホームを購入した人の平均年齢は

結婚して家族ができるタイミングで、一度は考えるマイホーム。ずっと賃貸物件に住むのが良いか、または住宅購入するのが良いか、という問題は個々それぞれに置かれた状況や就労環境によっても異なります。特に後々遺産相続等で住宅が譲渡される場合などは、自分で購入せずとも時が来れば自己所有不動産を手に入れることにもなります。人生の中のどのタイミングで住宅購入に踏み切る人が多いのか。またその人たちの取り巻く環境等についても探ります。

○平均年齢は40歳超え

かつて景気の良かった時代には、不動産を所有することがステータスのように、こぞって土地建物の購入をすることそのものがブームとなりました。需要を満たすほどのマンションや新築一戸建て建設が次々と進みましたが、当時は賃貸物件を好む傾向があり、このころ若者だった今の50代以降の人のが、リタイア前に住宅の取得や譲渡を前向きに検討しているという点は注目です。ただし、住宅市場動向調査から見る生体主平均年齢は、注文住宅や建て売り、分譲マンションや中古マンションなどすべてにおいて30.40代がボリュームゾーンとなっています。注文住宅購入者の平均年齢は38.5歳、分譲戸建ては37.4歳、分譲マンションが40.6歳、中古戸建て・中古マンションが41.5歳という結果があります。(出典:平成26年度住宅市場動向調査より)同調査の中で特徴的なのは、注文住宅や分譲戸建ての新築物件は30代がいずれも50パーセントを超えており、分譲マンションは30代と40代がほぼ同数、中古物件(戸建・マンション)は30代のほうが多いものの、その差は大きくありません。

○一戸建てとローン返済

新築物件で30代の購入者が多いのには、ローンの完済を60歳または65歳に設定して逆算をした結果と言えるでしょう。マイホーム購入の中で、最も費用と購入価格がたかくなると想定される新築一戸建ては、長いスパンでできるだけ早く購入を思い立ち、現実に購入して後の余生に備えようという、ライフステージに即した発想を強く感じます。中古戸建て住宅ならびに中古マンションの購入者平均年齢は、ともに41.5歳となっており、他の新築物件購入平均年齢と比べて年齢が高くなっています。特に中古戸建ての50代購入者割合が14.4パーセントで、他の住宅形態よりも割合が高いことが特徴的です。この理由としては、子どもが育ちあがり、ふたたび夫婦二人の生活になることから家の買い替えを検討している様子も垣間見えます。

○マイホームと貯蓄

世帯貯蓄平均額は、30代では656万円、40代で913万円、50代は1643万円、60代では2515万円という二人以上世帯の家計金融行動に関する世論調査結果があります。住宅ローンの頭金を目指して貯蓄に励む30代から、ライフステージごとに必要な貯蓄も加味した世代ごとの貯蓄と住宅を考えると、年代が上がるごとに頭金割合が大きくなり、またはキャッシュで住宅を購入するに近い状況での購入方法にシフトしていく傾向も想定できます。ハイエイジでは金融機関のローン審査も相応に厳しくなります。マイホームを購入したいと考えているならば、働き盛りにローン審査を申し込むか、またリタイアが近くなった時点で預貯金を多めに住宅用に回すか、このどちらかの傾向は今後も変わらないでしょう。

【著 者   長 岡  利 和】


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