オール電化は本当にお得?平均電気代を調査

省エネ住宅に対する国の助成や減税に対する取り組みが、過去数年にわたって活発に行われてきましたが、長期優良住宅を始め、省エネでありながら長持ちする住宅づくりへ、時代の流れがシフトしています。

光熱費0住宅をアピールする「蓄熱・発電システム」の開発も進み、太陽光発電システムはすでに一般的な住宅設備となってきました。
ガスと電力の併用によって省エネシステムを稼働する者もありますが、実際にこれらの設備を使用した場合に、電気代はどのくらい安くなるものなのでしょう。
電力会社の自由化も行われ、ここ数年頻発している原子力発電所の問題も重なり、電力の消費についてシビアな考えや取り組みが続いています。電気代を抑えながら、環境と家計にやさしい設備と電力使用を考えてみましょう。

○エネルギー消費に関する実態調査
電力消費には、太陽光発電システムなどの「電力をつくる設備」と「省エネ耐久財(白物家電)」の二つを併せて考える必要があります。
そして、オール電化住宅の大きな特徴は、文字通り「電力以外のエネルギーを使用しない」点にあります。
平成21年度の実態調査(平成24年3月公表 総務省統計局)によると、二人以上の世帯で太陽光発電システムを設置している世帯と設置していない世帯との電力料金差が2833円あり、またIHクッキングヒーターを使用している場合は、447円のエネルギー使用料金差があるという結果になっています。
電力買い取りが各電力会社で活発になり、なお且つオール電化導入助成金制度が施行されていた事もあって、オール電化の導入が活発になってきたのが同年あたりでしょう。
電力会社も各社しのぎを削って、数年間にわたる売電価格の保証を提案するなど、オール電化の導入に対して大々的に取り組んできました。
実態調査結果では、太陽光発電システムおよび省エネ高効率タイプ給湯設備を設置している家庭は、設置していない家庭と比べて、世帯の光熱費が軒並み低くなっています。

○オール電化システムと耐久財の導入率
オール電化システムは、深夜電力を多く消費する代わりに深夜帯の電力料金を日中の3分の1程度に抑え、深夜の電力消費を促しながら日中消費とのバランスを取り、日中の電力不足を解消する働きがあります。
北海道や東北地方では、冬の寒い時期には電力消費だけでは立ちいかない環境もあるため、光熱費をプロパンガスと併用していますが、それでもオール電化システムを設置している家庭のほうが、プロパン消費額平均では数千円レベルで安く抑えられています。

●省エネ設備があれば購入耐久財も省エネに
日中の電力消費を抑えて、深夜帯の電力消費にシフトすることで、電気代を安く抑えたいという発想から、恒常的に消費電力が発生する冷蔵庫や洗濯機などの白物家電にも、電気消費量を抑えた製品が販売の中心となってきています。

○まとめ
オール電化設備を設置していると、平均数千円単位で毎月の光熱費が抑えられる可能性があります。
地域の温度差や環境によっても異なりますが、総じて省エネ・オール電化システムを太陽光発電やエネファームと併用する事で、電気代もグッと抑えることができるようです。

【著  者   長 岡  利 和】


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