不動産の固定資産税評価を正しく知り相続に備える

実家の相続をめぐって、近親者でもめ事になることは意外と多いもの。近年、問題が表面化して社会全体で取り組まねばならないともいわれている「空き家」も、相続が発端となっているものが多く、その処分や家の存続に頭を悩ませているという人もいるでしょう。
相続に対する準備は、縁起が悪いという人もいますが、実際に被相続人が亡くなった後にもめることほど不幸なことはありません。

○相続対策は親がするべきこと
相続する時の遺産分配は、あらかじめ財産を残す立場の親の意向をくんで、それに合わせて必要な手続きをするべき人が、粛々とこなせるようにあらかじめ順序立てておくのが理想的です。
相続をすると、相続税がかかります。この相続税は親からすれば子どもへの置き土産の用に感じますが、実際その資産価値が高ければ高いほど、税金も跳ね上がります。
親の所有する実家の土地・建物などの不動産に相続税が課税されるかどうかを、あらかじめ調べておく必要があります。

○相続時の不動産評価
相続対象不動産の場合は、土地と建物のそれぞれに就いて固定死産税評価額を算出しておきます。建物は、固定資産税評価額が相続税評価になるので、これは納税通知書で知ることができます。
土地の評価は、路線方式または倍率方式と呼ばれる方法のいずれかで評価額を出します。
路線方式は、所有する土地が接する道路につけられた路線価をもとに宅地の評価をすることです。路線価×面積(㎡)で計算します。
実際に亡くなった年の路線価を元にして評価額を算出することになりますが、およその概算をしておくために、今の路線価に乗じて算出しておいてもいいでしょう。
倍率方式は、土地の固定資産税評価額を元にして、一定の倍率を掛けて評価額を出す方法。市街地以外の、路線価が定まっていない土地ではこの計算方式を用います。固定資産税評価額×倍率で計算します。

○不動産の評価と他の財産を計算
土地・家屋の不動産に対する評価額を合算して実家の評価額を求めたところで、他の預貯金やその他の財産を合わせて相続財産の全体をおおよそ把握しておきましょう。それが基礎控除を超えていれば相続税の課税対象となります。
相続税は、相続する人が配偶者の場合や、そのた特例措置に当てはまる場合など、それぞれの家庭の事情によって節税対策も変わりますし、受けられる控除額が異なります。
自分の家族や親族にどのように当てはまるか、ベストな節税方法を調べておくことは決して不謹慎な事ではありません。
実家が空き家になった場合、それを相続して管理維持していく子どもの負担は経済的にも体力的にも大きくなります。引き続き住まう相続対象者がおらず、放置されてしまう可能性があれば、適切に相続する方法を専門家や不動産の相談窓口を利用してみるのもいいでしょう。

【著  者   長 岡  利 和】


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