マイホームを手放す時 売却損が出たら

家庭の事情によって、せっかく購入したマイホームを売らねばならないという事もあり得るでしょう。マイホームを売却すれば売れた額だけ所得が増えることになります。しかし、売却益が必ず出るとは限りません。

住んでいた住宅とは別に、相続などで所有していた物件やずっと以前に購入していたマイホームは利益が出るケースが多いですが、反対に売って損をするケースもあります。

○マイホームの譲渡所得と損失計算
譲渡した場合に、譲渡価格からマイホーム購入額と譲渡に必要な経費を差し引いた額を譲渡所得と呼びます。
ただ、購入金額には減価償却分を含みません。
譲渡所得が赤字の時は、赤字分を他の給与所得や黒字所得から差し引いて損益を通算できます。
●マイホームを手放した赤字を差し引く
マイホームの譲渡損で一定のものを「譲渡損失」と言います。まず、譲渡所得と一時所得の黒字から損失を差し引きます。
まだ赤字が残っていれば、次に、配当所得・不動産所得・事業所得・給与所得・雑所得の黒字から差し引きます。それでもまだ赤字が残っていたら、山林所得・退職所得の黒字から差し引くことになります。
所得は三段階に分けて損益通算します。一般的なサラリーマンであれば、譲渡所得と損失をまず通算し、年収(給与)から差し引くというのが流れでしょう。退職して退職金などがあれば、最後に通算することになります。
●譲渡損失が大きい場合は
損益を通算しても、まだ赤字が残るというケースもあります。その時は期限内に申告を行えば残った赤字を翌年以降(3年間まで)繰り越すことができます(居住用財産の譲渡損失繰越控除)。

○マイホームを手放す時と住宅ローン
損益を通算する、または繰越控除をする制度には、ひとつ目にマイホームの住宅ローン残高を譲渡代金で清算返済することができずに残った「特定居住用財産の譲渡損失」の場合があります。
また、住宅ローンを利用して新たにマイホームを購入した「居住用財産の買い替え等」の場合があります。
この二つの特例を受けて損益通算するには、それぞれ一定の要件が必要ですが、共通している要件を紹介します
●居住用財産の定義
自分が住んでいる住宅家屋とその敷地であり、住まなくなってから3年目の年末までに譲渡をする不動産の事をさします。
●所有期間の要件
譲渡をしたマイホーム・敷地を所有していた期間が、譲渡した年の1月1日現在で5年を超えるものが要件となります。起算日と実際の所有期間に注意して計算をしなければ、この損益通算の特例を受けられないことがありますので、注意しましょう。

【著  者  長 岡  利 和】


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