ゼロ金利政策がもたらす住宅ローンの変化

住宅ローン申請する金融機関をどう選ぶか、この指標となるのは、各金融機関の現状の住宅ローン金利です。各銀行や借入可能な金融機関によって、わずかながら打ち出す利率が異なるため、どこに申し込めばお得に借り入れができるかは、住宅購入する立場の消費者にとって大きな問題となります。
2010年に開催した日銀の金融政策決定会合、このときに国の政策金利が0~0.1パーセントに引き下げられてゼロ金利が再開しました。長らく続く不況を理由に経済活動を刺激するため、金利を低く設定して経済を刺激するのが大きな目的です。

○住宅ローンの借り換えと新規申し込み

国がゼロ金利を打ち出し、2016年には日銀が預けている当座預金の一部にマイナス金利を導入することが決定しました。これによって、今後も長期金利が低下の状態を続けるのではというのが業界の見方となっています。事実2016年に入ってからも、緩やかではありますが、住宅ローンは過去最低の金利を更新し続けている金融機関も多く、この数字をもとに住宅ローンの借り換えを検討する人が増えています。
これから住宅ローンの返済をスタートする人にとっては、はじめから超低金利が適用されることになりますが、すでに住宅ローンの返済をスタートしている人は、今返済中のローンから乗り換えて、果たして安くなるのかを十分に検討する必要があります。

○ゼロ金利導入時期とローン返済時期を比較

今返済をしている人の中で、ローンの申し込み時期がここ5~10年以内の人の場合、借り換えを申請して金利の低い機関に変更するメリットは大きくなる可能性があります。分割・ボーナス割合やローン残高により、返済額や残存金利部分は大きく異なりますが、ゼロ金利が発動したのが2010年ですので、それ以前に住宅ローンの申し込みをした人は、数パーセント単位で金利が変動していることになります。借り換えで変わるのは、返済している金額の中の金利部分です。元金均等払いなら、上乗せされている金利部分が毎月の返済額から減らすことができますし、元利均等払いであれば、金利部分の支払いを短縮または圧縮することができるので、返済期間を短くすることができる可能性があります。

○ゼロ金利政策は短期金利が基準

国の金融政策が打ち出したゼロ金利が、住宅ローンの金利決定にどの程度影響を及ぼしているのかがわかりづらいと感じる人もいるでしょう。もちろん、ゼロ金利政策は日銀と各金融機関の間で行われる預金貸借で、個人と金融機関の間で「あらゆるローンの金利がすべてゼロになる」わけではありません。
しかし、このゼロ金利は短期の借入に対する金利を大きく刺激することになります。住宅ローンの金利は毎月各行からその数字が公表されて変動していますが、いずれの月も長期固定金利よりも短期借入金利の方がずっと低いのは見て取れます。
長期展望ではのちに景気動向が大きく好転している可能性があるため、その期待値も含めて金利が高めに設定されるのです。直近半年あたりの景気動向を踏まえて算出されるのが短期住宅ローンん金利なので、景気の変動や国の政策に一喜一憂することはあるかもしれませんが、とにかく金利重視で安く返済したい、早く元金を減らしたい人には短期金利での借り入れが効果的でしょう。

ゼロ金利・マイナス金利政策によって、各金融機関から提示される住宅ローン金利も低調を続けています。借り換えや申し込みは、その金額と返済期間によって個々状況は大きく異なりますので、十分に試算をし、納得したうえで行いましょう。各行で取引のある個人を対象に、併用できるサービスや保険もあります。トータルで見てお得になる方法を検討するようにしましょう。

【著者  長岡 利和】


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