住宅ローンの返済を夫婦でする時の注意点 贈与税がかかる?

持ち家に住むために、それぞれの家族ではいろんな方法で返済計画を立てていることでしょう。共働きをしながら、住宅ローンの返済をしている夫婦も珍しくありません。
仲良く二人で頑張って家を守る…。夫婦としては仲むつまじい良好な関係に見えますが、税制上はここに「待った」が掛かる事があります。それが贈与税と所有の関係です。

○夫婦間の金銭で贈与税がかかる?
一定の資産を誰かに譲渡したとき、そのお金に対して贈与税が掛かります。一定の控除額も設けられていますが、家族や夫婦の間でお金・資産の授受があったときも贈与税の対象になるという事を、まず理解しておきましょう。
「お財布も一つにしているし、お互いの収入を二人で合わせて住宅ローンを返済していく!」という家族や夫婦も多いはず。注意しなければならないのは、「夫婦で家の持分を分けて住宅ローンを組んだ場合」です。

●生活費に贈与税はかかりません
家族の生活を支えるために、夫婦がそろって働きながら生活費を稼ぐというのは、今ではスタンダードとも言えるスタイルになりつつあります。
夫が生活の柱として給料を得て、妻もフルタイムまたはパートタイムで給料をもらうだけではなく、この反対もしかりです。
生活に必要なお金に対して、贈与税はかかりません。

●夫婦の間で贈与税がかかるケースは
住宅ローンの借入れをする時には、審査があります。いくら頑張って支払うからといっても、夫婦どちらか一方の収入要件では、望みどおりの家を購入するほど借入れができないケースもあるでしょう。
そこで、夫婦それぞれが住宅ローンの審査を行って融資を受けるという方法をすすめる金融機関があります。もちろん、この方法で融資の額が増える可能性があります。
重要なのは、夫婦二人が住宅ローンを利用したときの、家持分割合です。

●住宅ローン額=家持分割合 ずれがあれば贈与税が
夫一人の収入で住宅ローンを利用している場合、住宅の持分は夫100%となるはずですね。夫婦で収入があり、それぞれが住宅ローンの返済をする時、返済割合=家の持分割合となるのが通常です。
住宅ローンを支払う人が家を所有している人。という基本にずれがあれば、贈与税がかかることになります。
所有の確認は登記で行います。実際に購入する家の資金負担割合と、登記の内容が違っていれば、課税対象になるのです。
夫名義で住宅ローンの借入れをし、妻が働いて返済していた場合(転職や失業の際など、日常で起こりそうな事柄にも思えますが)、妻から夫に対して贈与が発生していたとみなされることもあります。
特例や配偶者控除、贈与など、住宅ローンについて不安な事があれば、専門の税理士や購入した不動産会社担当者、金融機関などに問い合わせをしてみると良いでしょう。
「だって知らなかったから」といっても後の祭り…とならないために、疑問は解消しておく方が良いですね。

【著  者   長 岡  利 和】


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