住宅ローンの審査と必要書類 住民票の転居届けについて

住宅ローンの審査申込を行うタイミングを考えてみましょう。
購入したい物件に出会って「この家を建てたい」と思ったとき、金融機関を訪れて審査申込を行えるわけではありません。
もちろん、揃えなければならない書類の確認や、住宅ローンプランの相談はいつでもOKでしょうが、実際に審査をお願いするときには、引っ越しをする新しい住所が記載された住民票を求められることがあるのをご存知ですか?

〇住宅ローンの申込は万全の準備を
今のご時世、住宅ローンの新規申込や借り換えの審査依頼を申し込むお客様は、金融機関にとって喉から手が出るほどに獲得したいもの。低金利が続いているメリットを生かして、より多くの顧客を得たいというのが本音です。
ただ、審査申込の依頼をしてすぐに受付してもらえるという単純なものではありません。必要な書類を漏れなく準備し、万全の状態で審査依頼をすること。ひとつでも書類が不足していたら審査はおろか、受付すらしてもらえません。何度も出向く手間とわずらわしさを考えれば、一気に必要書類を揃えてしまうのが賢明でしょう。

〇住宅ローン審査時に揃える書類は
まずは、本人確認をするための書類が必要です。免許証や住民票の写しを準備します。そして、収入要件の確認を取るための源泉徴収票(直近のもの)と住民税決定通知書または所得証明書を揃えましょう。
どの物件に対して融資を行うかを確認するために、土地建物の売買契約書と重要事項説明書、工事請負契約書、建築確認済証、建物配置図(平面・立面)もあわせて提示を求められます。
新築する場合は、施工業者立会いの下で住宅ローン必要書類を確認することが多いので、施工業者が準備するケースが多いです。
これに、金融機関指定の住宅ローン審査申込用紙に記載をして持参します。当日はいろんな書類に署名捺印することになります。実印と実印の印鑑証明書も忘れずに準備しましょう。

〇ローン審査に新住所の住民票がいる?
家を新築する(購入する)前の段階であるにもかかわらず、一部金融機関では「新住所を記載した住民票」を提出するように求める場合があります。
本来なら、融資を受けて引き渡された後に転居届けを行うべきですが、抵当権設定と所有権移転登記申請を、旧住所と新住所の二度行わねばならないため、手続きの簡素化を図りたいという金融機関の狙いがここにあります。
実際に引越しをしていない住所の転居を届け出るのは、一般的に考えてもイレギュラーなこと(とはいっても、住宅ローンの審査が通ったら新住所の転居届けを求められたり、施工業者が代理人となって転居手続きを行ったりする場合があるのは事実)。新住所を求められたとしても、旧住所の住民票で手続きを進められないか尋ねるのは悪いことではありません。
ただ、住民票の移動届出は、転居してから14日以内に行わねばならないので、この期限はきちんと守るようにしましょう。

【著  者   長 岡  利 和】


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