固定資産税はどうやって決まる?築年数との関係は

住宅や土地を取得すれば、その所有者宛に固定資産税(プラス都市計画税)の納税通知書が毎年届きます。
固定資産税という税金がどのように決まるのか、年数が経つことで税額にどのような変化が起こるのか?など、はっきりと判らないことが多い税金のひとつでしょう。
固定資産税の算出と、経年数によってどのように税額が変わるのかを知っておきましょう。

○固定資産税の算出方法は
不動産に対して課税される固定資産税は、マイホームを購入した人にかかわるのが土地と建物です。事業を興している人は、事業用不動産に対しても課税されますが、ここでは一旦話を個人のマイホームに限って行います。

●建物の固定資産税算出方法は
土地はその価値が整備や都市計画によって変わります。そして、土地そのものの価値が消滅することはありませんね。ただ、建物は築年数が経過すれば老朽化していきます。価値が下がっていく不動産ということです。
そこで、家屋は簡単に言えば「再び同じ建物を新築したときにどのくらいの費用がかかるか」が基本の考え方になります。これを再建築価格といいます。
この再建築価格に減点補正率と評価1点あたりの価格を乗じて計算をします。

●年数にかかわる固定資産税の算出ポイント
一つ目が「減点補正」です。これは、木造家屋なら経年数減点補正率と積雪寒冷地補正率を掛けたものになります。木造以外の家屋は経年減点補正率をそのまま乗じます。
二つ目に「評点1点あたりの価格」です。木造なら0.99円、非木造なら1.1円を乗じます。
計算に織り込まれた指数を見ると、木造住宅のほうが、非木造住宅よりも価格が安くなり、評価方法にもいろいろなポイントがある、ということがわかるでしょう。

○木造住宅の築年数と固定資産税評価
木造住宅では、評価額の基礎(1点あたりの価格)が押さえられ、新築から20~25年ほどで評価係数は下限に到達します。減点補正率の下限は0.2で、これ以上下がることはありません。
ということは、およそ25年の年数が経てば、その建物が現存していて、評価額も基本的に下がらないということになりますね。

●中古住宅の固定資産税評価
新築時には、建築の工法や設計に対して一軒ずつ調査が入ります。中古住宅の場合は、一度その評価算定調査が終わっているので、再建築価格が出しづらいこともあるようです。
原則、この再建築価格から償却費相当額を控除した価格の5~7割に当たるくらいの価格が評価額になります。3年ごとに評価替えの年がめぐってきますが、評価換えとはいえ、新得時に確認要請があったときと異なり、構造や梁、構造計算書や身分表明を求められることは無いでしょう。
年数が経過し、ある一定の時期を過ぎてしまえば、固定資産そのものの価値も減少すします。ただ、25年以上経てその家屋の価値は0にはなりません。税額はともかくとして所有し続ける限り、ずっと固定資産税は課税されていきます。

【著  者  長 岡  利 和】


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